太陽光発電
太陽光を使って発電する「太陽光発電」。太陽光をエネルギーに変換する「太陽電池」をたくさんつなげたソーラーパネルを設置して発電を行います。このページでは、そんな太陽光発電の種類や仕組み、一般的な発電量や長所・短所など、太陽光発電にまつわる様々な情報をご紹介します。
太陽光発電はどんな仕組み?
太陽光発電システムの中心となっているソーラーパネルは、太陽電池(太陽光を吸収して直接電気に変えるエネルギー変換器)をたくさんつなげたものです。太陽電池の材料はシリコンなどの半導体で作られており、この半導体に光が当たると日射強度に比例して発電することができます。
発電方式
太陽光が太陽電池に当たると、どうしてエネルギーが生まれるのでしょう?太陽電池は、性質の異なる2種類の半導体(n型半導体と、p型半導体)を重ね合わせた構造をしています。半導体の中には+と-の性質をもった粒子があり、最初はそれがくっついた状態になっています。そこに太陽の光が当たると、+はpへ、-はnへ分かれます。このような電気を帯びた粒子が移動する仕組みにより、電気が流れます。これが太陽電池の発電原理です。
いろいろな太陽光発電
野立て太陽光発電
地面に架台と呼ばれる台を設置した上に太陽光パネルを設置する太陽光発電。産業用の発電所などで一般的に行われています。「野立て」という表現はよく省略して使用されます。
屋根置き太陽光発電
倉庫や工場、オフィスビルや住宅などの屋根の上に太陽光パネルを設置する太陽光発電です。
水上太陽光発電
農業用のため池やダム湖、工業用の貯水池などの水面を活用して行う太陽光発電。地面の上で行う太陽光発電に比べ、造成や除草のコストが不要という長所があります。
ソーラーシェアリング(営農型発電)
農業と太陽光発電を組み合わせた発電事業。農地に支柱を立てて、その上部に太陽光パネル等の発電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行うことを指します。農業経営のサポートや、増加する耕作放棄地の有効活用という観点から活用が期待されています。
メガソーラー
出力1,000kW以上の大規模太陽光発電所。1,000kW = 1MW(メガワット)であるためこのように呼ばれます。
太陽光発電の特徴
太陽光発電に適した環境・場所
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晴天率が高く日射量が大きい
晴れの日が多く、日射量が多いほど発電量が多くなる
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広い土地
ある程度の広さのまとまった土地が確保できることで、その分発電設備を設置できる面積が増えるため、発電量も多くなる
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送電線までの距離が近い
発電した電気を送るための送電線に繋がなければならないが、距離が長いほど費用がかかる
太陽光発電の発電量はどのくらい?
約1haの面積で約1,000kW(1MW)が発電できるイメージです。例えば、東京ドーム(約4.7ha)1個分の面積で太陽光発電を行うとすると、約4,700kW分の太陽光発電設備を設置することができます。
JRE高島太陽光発電所の例
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- 発電能力
- 13,180 kW
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- 年間発電量
- 約 1,420万 kWh
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- 一般家庭の年間消費電力量
- 約 3,230 世帯分相当
太陽光発電の長所・短所
- 運転用の燃料が不要
- 運転音が静か
- メンテナンスが比較的容易で経済的
- 発電にあたりCO2排出がない
- 気象条件で発電量が左右される
- 夜間はほとんど発電しない
- 設備利用率が低い
太陽光発電の豆知識
太陽光発電の起源
太陽光発電は、1839年にフランスの物理学者アレクサンドル・エドモン・ベクレルによって、物質に光が当たると電気が発生する現象「光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)」が発見されたことがきっかけです。その後、この現象を基礎として1954年にアメリカのベル研究所の研究者らによって、現在のシリコンを使用した太陽電池が開発されたことが太陽光発電技術開発の始まりとなりました。